スピリチュアルカウンセリング

スピリチュアルブームのせいか、スピリチュアルカウンセリングを行っている個人や団体も増えているように思われます。

精神世界について関心の薄い方からすると、怪しい世界の話とか、占いなどのように根拠がなく、信じやすい人、騙されやすい人がはまってしまうような取るに足らない話ではないかと思われるかもしれません。

しかし、スピリチュアルカウンセリングは、カウンセラー(霊能者)によっては、非常に意義のあるものではないかと考えられます。

ここでは、スピリチュアルカウンセリングの意義について、霊的な視点(スピリチュアリズムの思想の観点)から考えてみたいと思います。

死後の世界の証明

世の中の問題の根源には、唯物主義、つまり、「死んだら終わりだから、生きているうちに楽しんでおこう。(自分の好きなようにさせてもらおう。周りの事などどうでも良い。)」という発想から来る、利己主義があると思われます。

死ねば無に帰するのであるとすれば、究極的には、善悪など何もなくなり、何でもありの世の中になってしまうのではないかと思います。

そう考えれば、死後の世界が存在するという事を人々に示す事は、人々を利他的な正しい生き方に導くことに役立つと考えられるのではないかと思います。

また、無に帰するとすれば、人間など無価値な存在で、人生に意義を見出せなくなるのではないでしょうか。

仕事をして他人や社会に貢献する事の重要性や、自殺はなぜしてはいけない事なのかについても明確には説明できないのではないでしょうか。

霊能者は、相談者にゆかりのある霊からのメッセージを受け取り、霊能者が知るはずのない内容(霊の容姿、性格、職業、死因など)や、相談者の性格、価値観、生活習慣などを相談者に伝えることで、死後の世界の証拠を示す事ができ、相談者を正しい生き方へと導く機会を提供できると考えられます。

霊性の向上のためのアドバイスがもらえる

「汝自身を知れ」という言葉がありますが、自分を知るという事は、霊性の向上にとって、非常に重要なことではないかと思います。

しかし、自分というものは、なかなか自分には分からないものではないかと思います。

ポジティブシンキングのつもりが、自己満足になっていたり、信念を貫いているつもりが偏狭になっていたり、自信のつもりが傲慢になっていたりといった具合に、自分の個人的な思いと、客観的事実との間には、隔たりが生じていることが良くあるものではないでしょうか。

完璧な人間などどこにもいませんので、向上し続ける事が重要と思われます。

そのためには、自分自身で気づけていない客観的事実の部分や改善策を、より進化した存在に指摘していただき、アドバイスをいただく事は霊性の向上にとって有意義であると考えられるのではないでしょうか。

ここで、私たち人間と、高級霊の判断力について考えてみます。

私たち人間は、肉体を所有することから、五感という非常に制限された能力によって知覚した情報をもとに物事を判断しています。

その制限された能力を元に、高々、数十年という短い人生経験から得られた経験や知識をもとに、「善だ、悪だ、かくあるべきだ。」と自分なりの見解を述べているに過ぎないと考えられます。

一方、霊界の高い階層の霊は、肉体を脱ぎ捨てた事によって、人間と比べて様々な能力が飛躍的に向上していると考えられています。

霊界は、思念の世界ですので、人のオーラから、その人の、霊性、性格、価値観、健康状態、考えている事、生活習慣など、様々な情報が分かり、遠く離れた場所のことも知覚したり、瞬時に移動したりすることが出来たりするとされています。

霊性も、人間よりもはるかに進化した霊もいますから、そのような霊は、豊富な知識、優れた洞察力、先見性があり、高い判断力を有していると考えられます。

このことを踏まえて考えれば、高級霊からのアドバイスをいただく事の重要性が深く理解できるのではないでしょうか。

より良い仕事(奉仕、社会貢献)をするためのアドバイスがもらえる

高い階層の霊の中には、慈悲深く、地上界をより幸福な世界に変えたいと考えて、人間に働きかけている霊がいると考えられています。

前述したように、高級霊は、人間など比較にならないほどの高い知性と判断力を有していますから、多くの人を幸福な人生へと導くことの出来るアイデアを持っていると考えられます。

そのような霊から、仕事をする上でのアドバイスをいただけるとすれば、より良い仕事をする上では、非常に意義のある事だと考えられるのではないでしょうか。

問題解決のためのアドバイスをもらえる

人間の能力は、非常に限られていますから、問題を解決するための手段も、霊界側の方が深く、正確に理解しています。

もちろん、霊査で何でも教えていたのでは、その人のためになりませんから、問題によっては、あえて解決策を伝えないということもありますが、助言する事がその人の霊性の向上にとって有益であるとすれば、アドバイスをもらう事が出来ます。

「問題は、自分で解決するものだ。」という意見もあると思いますが、他人から援助を受けることも大切なことではないでしょうか。

人は、支え合って生きているものだと思います。

利他的な生き方(無私の精神、自己犠牲)が重要である一方、他人から力を借りること、他人と協力する事も重要ではないかと思います。

そのように考えれば、霊能者にアドバイスをいただくこと、私たち人間より一歩先を進んでいる霊からの助言を受けることは、間違ったこととは言えないのではないかと思います。

グリーフケアに役立つ

地上生活には、様々な困難、苦しみ、悲しみに遭遇することがありますが、中でも精神的に大きな心のストレスになるものは、愛する人との死別ではないかと思います。

死別による悲しみがうまく解消されないと、長期間ストレスを引きずる事になりますし、それから体調を崩してしまう事もあります。

そこで、グリーフケアが注目されているようですが、霊能者が、死者の容姿、性格、習慣などを伝え、死者は無になってしまったのではなく、あの世で生き続け相談者を温かく見守ってくれているという証拠を示すことが出来れば、グリーフケアにとって大きな意味があるのではないでしょうか。

スピリチュアルカウンセリングのデメリット

物事には、良い面があれば、悪い面もあります。

負の側面を知る事で、より適切なとらえ方ができるようになると考えられます。

低級霊とつながる可能性がある

人間の霊性と同程度の霊性の霊が、人間に影響を与えると考えられていますので、霊性が十分に高められていない場合は、低級な霊から悪影響を受け、間違った方向へ進んでしまう危険性があります。

財産を失い困窮する事になったり、健康を害したり、自殺まで追い込まれる事もあります。

そのため、もともと、霊的に敏感な人(霊能力が高い人)、霊性が十分に高められていない人、子供など、人生経験が乏しく十分な判断力が備わっていない人などは、霊能開発は避ける(もしくは慎重に行う)べきであると考えられます。

霊能者・霊査への妄信・依存

霊能力が出てくると、霊能者は、自分を特別な存在だと思い込み(驕りが出てきて)、教祖様になり、相談者の側は、霊能者を崇拝するような関係が形成されることがあります。

人間は、自ら考え、判断し、選択して、その結果を受けることで、判断力を養っていくものではないかと思います。

良い結果が得られれば、その判断は正しかったのだと知り、悪い結果が現れれば、その判断は間違っていたのだと知る事が出来ます。

人の言われるがままになっていたのでは、何が正しく、何が間違っているのか、本当に大事な事は何かを知る事はできないのではないかと思います。

言わば思考停止の状態になっているからであり、占いに依存している人と同じような状態になっているのではないかと考えられます。

霊能者も、一種の技術者ととらえることが良いように思われます。

いつまでも、先生にならずに、謙虚に学び続ける(技術を磨き続ける、霊界からの通信を、より正確に、より詳細に受け取れるように精進を続ける)姿勢が重要になるのではないでしょうか。

また、相談者側も、霊能者や背後霊を必要以上に崇拝せず、霊査の内容を絶対視する事なく、一つの貴重なアドバイスとして客観的に受け止め、日常生活に生かしていくというスタンスでいる事が重要ではないかと思います。

まとめ

スピリチュアルカウンセリングは、一部の占いか何かのように、自分の意思決定やそれから生じる責任を放棄して、他者の根拠のない不明瞭な意見に依存するものではなく、自分をより客観的に理解し、より良い利他的行為を実践するための貴重なアイデアを提供してくれるものであるということが言えると思います。

人生の目的である、霊性の向上を促進するために非常に有意義であると考えられますし、それが、より多くの人を救う事に繋がると考えられます。

もちろん、低い階層の霊と繋がることは避けなければなりませんが、高級霊からの支援を受けられるようになった霊能者が行うスピリチュアルカウンセリングは非常に意義あるものであると言えるのではないでしょうか。

また、スピリチュアルカウンセリングを有意義なものにするためには、相談者側も、なるべく、現世利益のような利己的な動機から相談を依頼するのではなく、社会貢献や霊性の向上のためのアドバイスを受けるため、利他的な動機から依頼するようにすることが大切ではないかと思われます。

最後に、シルバーバーチの霊訓から、スピリチュアルカウンセリング、霊能者の重要性について述べてある箇所を抜粋しておきます。

ご承知のように私は常に、一人でも多くの霊媒が輩出することの重要性を強調しております。霊界からの知識、教訓、愛、慰め、導きが地上に届けられるためには、ぜひとも霊媒が必要なのです。

シルバーバーチの霊訓(五)p58