スピリチュアリズムの概要
2018年4月23日の日本心霊科学協会九州和の会の祖霊祭において、本部の常任理事である瀬尾先生に講演をしていただきましたので、その内容についてご紹介します。
瀬尾先生の講演内容と感想
演題は「心霊の基本的知識について―心霊研究とスピリチュアリズム」であり、スピリチュアリズムの歴史、思想などを、様々な宗教と比較しながら、包括的に理解できる内容となっていました。
日本心霊科学協会の役割
イギリスにおいては、心霊(現象)研究の団体はSPR(心霊現象研究会)、スピリチュアリズムの団体はSAGB(大英スピリチュアリスト協会)と、異なる団体に分かれていますが、日本心霊科学協会は、心霊研究とスピリチュアリズム(の普及)の両方の役割を担っているとのことでした。
魂や死後の世界が存在することは科学的には証明されていませんが、人間の五感によって感知できない世界が存在するということは科学的には証明されています。
これから研究が進み、死後の世界が存在するという証明に少しでも近づいていけたらいいのではないかと思います。
スピリチュアリズムの歴史
上図ではスピリチュアリズムの歴史を日本と海外で起きた出来事を対比させてまとめられたものです。
様々な団体がありますが、結局のところ、既存の宗教の教義を学んだ人が、自分なりの解釈を加えて新たな団体を作っていくということが言えるのだろうと思います。
ですから、宗教の教義に触れたことのある人は、深く心に染みる言葉があり、それによって、その団体の教えに価値を見出すものだと思いますが、どのような団体にしても、共通した教義が存在し、価値ある言葉が存在するということは当然のことであると言えると思います。
あらかじめ、そういった知識を身に付けていれば、「この経典に書かれていることは、一言一句違わず正しいのだ。」とか、「この指導者の言う事はすべて正しい。」といった極端な思想に陥ることなく、物事を冷静かつ客観的に眺めることができるのではないかと思います。
心霊現象と科学
歴史を振り返れば、科学の進歩は、新しい説を唱える者と、「現時点では正しいと信じられている仮説が絶対に正しいのだ」と主張する者との争いの中で勝ち取られてきました。
地動説はマルティン・ルターやプラトンに、雷が電気であるということは、ロンドン学士院会に否定されてきましたが、現在では子どもでも知っている常識となっています。
心霊研究をした著名な科学者の例として、ウィリアム・クルックス、オリバー・ロッジ、レイリー卿などが挙げられていますが、この他にも、心霊現象が頻繁に起こっていた当時の一流の科学者や有識者たちが、心霊現象を目撃し、スピリチュアリズムの思想である、「人間の個性は死後も存続し、現界と霊界との間で通信連絡が可能である。」ということに確信を抱いていました。
余談ですが、発明王エジソンも交霊会に出席していたようですが、そのうちに以下のような言葉を言うようになったとのことです。
自分は千を超える発明をし、世界の発明王などと言われているが、実際は、自分が発明したのではなく、宇宙という大きな存在からメッセージを受け取り、自分なりの記録をとったにすぎない。つまり、自分自身が自然界からのメッセージの受信機であった。
引用元: 快人エジソン
スピリチュアリズム関連の有名な書籍
スピリチュアリズム関連の有名で信頼性の高い書籍が紹介されてありましたので、関心をお持ちの方は参考にされたら良いかと思います。
日本心霊科学協会の活動内容
日本心霊科学協会の活動内容は、「心霊的な現象の科学的な研究とスピリチュアリズムの思想の普及を通して人類の福祉に貢献すること」です。
科学がどれだけ進歩しても、それによって生み出されたものは、善のためにも悪のためにも使用する事が出来ます。
それをどちらに使用するかは、使用する人間の道徳的判断にゆだねられていると言えると思います。
つまり、科学の進歩によってどれだけ便利な世の中になったとしても、幸福な世の中になるとは限らないわけです。
一方、心を豊かにするために、宗教に頼ってみてはどうかと思われるかもしれませんが、宗教の場合は、やはり妄信、狂信に陥る危険性をはらんでいると思われます。
宗教を信じることも良いかと思いますが、どこか事実に基づいた理性的な判断も忘れないようにしなければならないのではないかと思います。
死後の世界を想定しなければ、人間はどうしても心の成長を疎かにして、物質的な快楽に流されてしまう傾向にあると思います。
権力者たちが、お金、地位、名誉などの自己中心的な欲望を満たすことに執着するようになれば、国家引いては世界中が大混乱に陥ります。
そういう人達が、死後の世界に確信を抱き、利己的な生き方から、利他的な生き方へとシフトすれば、世の中に大きな変革をもたらすことは容易に想像がつくのではないでしょうか。
あらゆる問題の本質的な原因は各個人の行き過ぎた利己主義にあります。
そういった視点で物事を眺めてみれば、日本心霊科学協会の活動が重要なものであることが理解できるのではないでしょうか。