愛とお金を天秤にかける様子

ソーシャルビジネスという言葉をご存知でしょうか?

資本主義経済においては、ビジネスと言えば、利潤の追求が目的ですが、ソーシャルビジネスは、社会問題の解決が目的とのことです。

つまり、社会問題の解決が目的であり、ビジネス(お金儲け)は、手段という事になります。

もちろん、資本主義社会と言っても、企業によって、利潤の追求に重きを置くところもあれば、社会貢献に重きを置くところもありますので、単純なレッテル張りはできないとは思います。

しかし、ソーシャルビジネスの画期的なところは、「社会問題の解決が目的である」と明確にしたところではないかと思います。

ここでは、ソーシャルビジネスをスピリチュアリズム的に考察してみようと思います。

あるソーシャルビジネスの話

社会問題には様々なものがありますが、代表的なものに、貧困問題があるのではないかと思います。

皮製品を販売しているソーシャルビジネスがありますが、発展途上国の工場で革製品を作り、日本で販売する事で、利益を上げているとのことです。

そして、工場では、障害者などの、他の職場では働けないような人を採用し、低所得者の中でも、特に生活困窮者の雇用を創出しているという事でした。

営利団体でも、社会に貢献しているとは言いますが、やはり、ここまで社会の福利に直結する事ができる企業というのは、なかなかないのではないかと思います。

ソーシャルビジネスというビジネス形態であればこそ、これだけの貢献ができるのではと思います。

動機の重要性

ハートを差し出す手

スピリチュアリズムには、思想的、哲学的な要素がありますが、重視されている事の一つに、動機があります。

何か行動を起こす際には、動機というものが存在するのではないでしょうか?

例えば、ビジネスにおいては、「お金儲け」、つまり、自分の利益が目的(利己的)か、「社会貢献」、つまり、他人の利益が目的(利他的)かという具合に、大きく2つに分類できると考えられます。

これらを比べて、どちらが良いと思われるでしょうか?

明確な答えは出せませんが、理屈を考えれば、皆が利己的な動機を元に行動すれば、例えば、自分の利益を最優先して、他者の迷惑も考えなければ、様々な不幸、問題が起こると考えられると思います。

逆に、皆が利他的な動機から行動すれば、つまり、他者の福利のために行動すれば、自ずと、互いに支え合える、幸福な世の中が実現できると考えられると思います。

「お金儲け」が目的で、「ビジネス」が手段。

「社会貢献」が目的で、「ビジネス」が手段。

同じような製品を世に出している場合でも、目的が違えば、出てくる結果は全く違ったものになるようにも思われます。

動機というのは、判断をする上で、重要な要素のように思います。

その時点で正しいと思われたことをなさればよいのです。ただし、これが正しいということに確信がなくてはいけません。動機が純粋であれば、その後に派生してくるものも善へ向かいます。

シルバーバーチの霊訓(八)p221

ちなみに、ガンジーも動機の大切さに言及していますので、ご紹介しておきます。

人間の欲求と動機とは、利己的なものと利他的なものとの二つに区分することができる。利己的な欲求が不道徳なのに対し、利他のために自らを改めようとの欲求はまったく道徳的である。

今こそ読みたいガンジーの言葉p111

ソーシャルビジネスは人類進化の証か

ソーシャルビジネスという言葉を知ったのは最近の事ですが、このようなビジネスが普及してきたという事は、それだけ、人類の霊性も向上してきているからではないかとも考えます。

ソーシャルビジネスに限らず、ボランティア活動なども盛んに行われるようになってきています。

もちろん、災害が頻発したり、ボランティアに従事できるほど豊かになった事も原因の一つと思いますが、そのことを考慮しても、霊性の高い人が増加してきているように思われます。

暗いニュースも多いですが、このようなビジネスのあり方が普及している事を考えれば、人類の未来にも希望の光を見出せるのではないでしょうか?