まっすぐに人としての成長の道を歩むために

ハートを持つ女性

人の心の中には様々な思いが渦巻いています。

自分にとって、良いことであると思えることが起きると、心は喜びや希望で満たされるかもしれませんが、悪いことであると思えることが起これば、悲しみや憎しみの感情がわいてくるかもしれません。これは人として生きている以上仕方のないことだと思います。

しかし、もし、悲しみや憎しみなどのネガティブな念を大きく膨らませた場合は、様々な争いなどの不幸の原因となるかもしれません。

ただ、そもそも、宗教が軽視されがちな国である、日本においては、どのような心の状態が望ましい状態で、どのような心の状態が望ましくない状態なのかという知識自体がない人も多いように見受けられます。

そのため、例えば、憎しみの念が膨らんできたとしても、心の赴くままに放置し、自滅の道をたどることも少なからずあるのではないでしょうか?

そこで、ここでは、どのような心の状態が望ましい状態(目指すべき状態)で、どのような心の状態が避けるべき状態なのかをシルバーバーチの霊訓の思想をもとに考えてみたいと思います。

望ましい状態と望ましくない状態

愛と憎しみ

ハートを持ち合う手

人を愛すれば、調和が生まれ、幸福が生まれるのではないでしょうか?

反対に、人に対して憎しみの感情を抱けば、争いや不幸の種を蒔くことになると考えられると思います。

仮に同じような場面に遭遇したとしても、人に対して愛の感情を持つこともできれば、憎しみの感情を持つこともできると思います。

各々が、なるべく愛の感情を選択するように努めることで、幸福な世の中に近づいていくことができるのではないでしょうか?

※ここで用いている「愛」は「個人的な感情を超越した、幸せを願う深く温かい心。」の意味で用いています。

慈悲と無慈悲

若葉を持つ手

困っている人、苦しんでいる人がいるときに、なんとも思わずに、自分の我欲を満たしてばかりいる人が世の中に増えると、この世界から、不幸というものはなかなかなくならないのではないでしょうか?

また、我欲を満たしている人も、物質的な欲望は満たせても、心の満足はいつまでも得ることができないかもしれません。

逆に、苦しんでいる人に対する思いやりの心を持ち、手を差し伸べる人が増えれば、自ずと幸福な世界に近づくものではないかと思います。

そして、助ける側も本当の心の満足を覚えるものではないでしょうか?

助ける側は助けているようで、自分自身が助けられているとも言えると思います。

ただ、逆説的になりますが、苦しんでいたとしても、その人はその苦しみから、様々な学びを得ていることもありますし、あまりにも感情的になれば、自分のなすべきことも疎かにして、他人のことに気をもむということもありますので、どこか、一歩引いて物事を客観的に見ておくこと、そのような判断力を養っておくことが大切ではないかと思います。

勇気と臆病

人は、様々な経験を積むことで、様々な人を理解できるようになり、人として成長していけるものではないでしょうか?

そのため、どのような困難なことがあっても、それが進むべき道であるとすれば、臆することなく前進を続ける勇気が、成長にとっては必要となるのではないかと思います。

信念と疑念

人は自分が思い描いたものに近づこうとする性質があるのではないかと思います。

必ずやり遂げられると信じていれば、結果は良い方向へ傾くと思いますし、うまくいかなかったらどうしようとか、うまくいくはずがないと思っていたら、その通りの結果に近づくものではないでしょうか?

自分が正しいと思うことに対する信念は良い結果を生むために大切な要素であると言えるのではないかと思います。

楽観と悲観

良い結果を望めば物事はそのように動いてくるものだと考えられますので、どのようなことでも、前向きに考えることが大切ではないかと思います。

希望と絶望

これも楽観と悲観と同じ理由で、希望を抱けるように努める必要があると思います。

光り輝く青空

寛容と不寛容

人はそれぞれ、考え方、価値観、成長の度合いなど、様々な点で異なっており、そのため、自分が正しいとすることが他の人からすると、正しいとは思えないこともあると思います。

しかし、この違い、多様性を受け入れることが出来なければ、それがまた、争いや不幸を生じる原因になると思います。

寛容さも幸福な世界を実現するには大切な要素ではないでしょうか?

謙虚と傲慢

自分の能力を、実際以上に過信してしまうと、自分の能力以上のことをしようとして、過ちを犯してしまうこともあると思います。

また、自分を省みることもなくなれば、その人の成長はそこで止まってしまうのではないでしょうか?

いつまでも、成長を続けられるように、謙虚さを忘れないようにすることが大切ではないかと思います。

利己と利他

人は、生きていると様々な選択肢を選ぶ機会に遭遇しますが、判断の基準として、自分中心で他人の迷惑を顧みない、利己的な選択肢であるか、自分の利益よりも他人の幸福を第一に考える、利他的な選択肢であるかが考えられると思います。

利己的な選択肢を選ぶ人が増えれば、様々な問題を生じる原因になると思います。

というより、全ての問題は、利己的な生き方が原因となって起こっていると言っても過言ではないのではないでしょうか?

向上と堕落

階段を上る人

世の中は、まだまだ改善すべき問題が数多く残されていますから、何事にも向上心を持って、取り組んでいくことが重要ではないかと思います。

また、人は向上する中で幸せと感じられるのではないでしょうか?

現状に満足しだしたら、本当の幸福感は得られないのではないかと思います。

心の赴くまま、欲望のままに生きるのではなく、常に向上し続けることが人としての正しいあり方ではないでしょうか?

望ましい心の状態

ここで、目指すべき心の状態について考えてみます。

同情

苦しんでいる人に対する同情心は、そういう人達に手を差し伸べることにつながるのではないかと思います。

これも幸福な世の中を実現していく上で、大切な心の在り方ではないかと思います。

柔軟性

完璧な人間などいませんから、物事のとらえ方に柔軟性が欠けていたら、新しい価値観を受け入れられず、自分自身の成長を阻害することになると思います。

また、多種多様な人間がいますから、柔軟性が欠けていたら、考え方や価値観の違う人との間に、軋轢を生じる原因になるかもしれません。

望ましくない心の状態

望ましくないと思われる心の状態について考えます。

強欲

物質は有限ですから、あまりにも多くの富を得ようとすると、不足してしまう人が出てきて、貧富の差が広がります。

欲望も強すぎると様々な問題の原因になると考えられると思います。

心配

悪いことが起こるのではないかと考えることは、そのこと自体が、悪いことが起こることを手助けしていることになるのではないかと思います。

また、うまくいかないのではないかとか、悪いことが起こったらどうしようなどと考えて、心配の念を抱いたとしても、全く根拠のない想像の場合が多いのではないかと思います。

しかし、もし仮に、その心配が、自分の努力不足などから来ている場合は、心配の念を抱くよりも、良い結果を期待しながら、前向きに努力をした方が良い結果が得られるのではないかと思います。

嫉妬

炎

自分より能力的に優れた人などに対して、不快な感情を抱くことは誰にでもあることだと思いますが、これも恨みや争いなどの原因となります。

また、恋愛感情を抱いている相手が他の人に心を寄せるときに生じる嫉妬心も争いなどにつながるネガティブな感情であると言えると思います。

これも、すべての人に対する愛があれば、嫉妬心などに振り回されることもなくなるのではないかと思います。

「人はそれぞれ、一長一短あり、上には上がいるわけだから、人と比べず、自分にできることを精一杯すれば良い。」ということがわかれば、このような感情にとらわれることもなくなると思います。

羨望

自分よりも恵まれているとか、優れているという人に対するマイナスの感情も、嫉妬心と同様に考える事ができると思います。

心を正しい方向に向けるために

芝生の上のガラスの地球

以上は概要であるため、説明不足の部分もあるかと思いますが、どのような心の状態になるように心がければ良いかの大まかな指針が、理解できるのではないか思います。

これらのことを踏まえて、各人が常日頃から、人としての道を大きく踏み外すことがないように、ほんの少しだけ心のあり方に配慮するようになれば、幸福な世の中に近づいていくのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

これまでに、自分自身の心のあり方に配慮することが欠けていた人が、急にポジティブな心の状態になれるわけではないとは思いますが、日ごろから、望ましい状態になるように努力を重ねれば、少しずつ、自然に前向きな状態が保てるようになってくるのではないかと思います。

そうなるように、一歩一歩努力を重ねていかれてはいかがでしょうか?