精神統一(瞑想)の目的・姿勢・呼吸などについて
瞑想は、最近では、グーグルやフェイスブック、アップルなどの一流企業の研修に取り入れられるなど、その効果も見直されてきています。
しかし、瞑想には様々な方法があり、どの方法を取れば良いかで迷われる方も多いのではないかと思いますので、ここでは、安全な瞑想のやり方について考えてみたいと思います。
瞑想の目的
瞑想の目的は、意識を通常の意識状態から変性意識状態に持っていくことです。
変性意識状態とは、通常の覚醒時の脳波がベータ波の状態とは異なる意識状態であり、時間がたつのも忘れて何かに没頭している時や、うとうとしている時の夢うつつの時の状態になります。
そのような状態になる時間を、日常生活に意識的に取り入れることによって、その人に備わっている、様々な潜在能力が発揮されるようになってきます。
その能力を社会にいかすことで、より良い世の中に変えていくことに繋がりますし、その人自身も人間性を向上させることに繋がってくると考えられます。
しかし、瞑想に興味を抱く人の中には、超能力や霊能力、神秘体験などに魅了されて、日常生活のことを疎かにしてまでも、瞑想や宗教活動などにはまり込んでしまう人もいますから、あくまでも、人生の目的は、「俗世間で、人や社会の役に立つ中で、人間性を向上させること」であり、「瞑想はそのための補助手段」ということを忘れないようにすることが大切ではないかと思います。
瞑想のやり方
瞑想のやり方で特にこうしなければならないといった、決まった方法はありませんが、中には危険な方法もありますから、ある程度の知識は持っておいた方が良いと思います。
瞑想法に関係する方法には、古くから工夫され、今日まで伝えられているものが多くありますが、日本心霊科学協会で行われている精神統一法はこの流れの中から生まれ洗練された安全な方法です。
そこで、ここでは、日本心霊科学協会で指導されてある精神統一法をご紹介します。
調身
調身とは正しい姿勢を取ることを言います。
重要なことは、背筋がまっすぐになるようにすることだと思います。
背筋が伸びることで気の流れが良くなりますし、背筋が曲がっているときと比べて肺に入る酸素量も増え、呼吸もゆっくりとなり、精神が安定することに繋がります。
具体的な姿勢を以下に示します。
正座の場合
- 男性はこぶし二つ分、女性はこぶし一つ分くらい膝を開ける。
- 足先は、第一指が接するか、重なるくらいの位置になるようにする。
- お尻を後方に張って安定させる。
- お腹を少し引く。
- 背筋を伸ばす。
- 顎を引く。
- 目を閉じ、まぶたに力が入らないように注意する。
- 両手は身体の前に置き、手のひらを上に向け、右の手のひらの上に左の手のひらを重ね、左右の親指が接するようにする。
- 肩の力を抜く。
いすの場合
正座の場合の2番目の足先の説明箇所を除いた姿勢となります。
姿勢がまっすぐになるように、いすの高さを調整することが大切です。
調息
腹式呼吸で呼吸を意識的にコントロールすることで、精神を安定させ、精神統一に入りやすい状態にすることができます。
- 鼻から息を吸って、お腹をへこませながら鼻から息を吐く。
- 呼気、吸気は穏やかに行う。
- 呼気は吸気より、長い時間をかけてゆっくり行う。
- 腹式呼吸によって、呼吸が整ってきたら、通常の呼吸に戻す。
調心
精神統一をするには、心の動きを鎮めて、平静な状態を保つ必要がありますが、そのために必要なことを挙げます。
- 音や光の刺激がないような静かな部屋で、室温も集中が乱れないような温度に設定する。
- 雑念がわいてきたら、それを鎮めようとすると、心が乱れる原因となってしまうので、意識することなく放置する。
- 雑念がなかなか消せない場合は、呼吸をするたびに、一回、二回と数え、十回まで行けば、また一回に戻るということを繰り返す。(数息観(すうそくかん))
瞑想は諸刃の剣
瞑想は正しく行われれば、心を穏やかに保ったり、眠っている能力を発揮したりするなど、実践する人や周囲の人にとって様々な恩恵をもたらします。
しかし、間違ったやり方をすると、精神的に不調をきたすなど、危険性が全くないわけではありません。
まず、瞑想に対する正しい知識を得て、安全な方法で、地道に実践を続け、人間性の向上に役立てられてはいかがでしょうか?